マヴィ生産者訪問ツアー(1)
JTBより「マヴィオーガニックワイン生産者ツアー」を募集したところ、全国各地から12名の参加者が集まってくれたので、週末からフランスに来ています。これだけの人数だと一人では荷が重いので通訳にはヒロヨさんが入って、計14名のグループで生産者さんを訪問しています。
成田より昼の便でパリ経由リヨンに入り、翌朝は土曜日でマルシェ・ビオ(オーガニック市)開催中だったので、さっそく出かけてみました。いいお天気です。
隣にある一般のマルシェと較べると売り手がちょっと違っている感じ。商売っぽくないのです。あちこちに説明や畑の写真が出ていて、説明もしてくれます。バリトンで歌っているおじいさんや、ハープを演奏している女性もいます。
グループのみんなも同じようで、天然酵母パンやら、蔓についたトマトやら、おいしい色のニンジンやら、肉のパテやら、Brut(辛口)のシードルやら、オーガニックワインやら、鶏の丸焼きやらをぶら下げてます。
なんと最初のランチから公園でピクニック!
二日目はボジョレー。まずはヌーヴォーでお馴染みのドアットさんを訪問。
バスの車窓から、なだらかな丘が連なる風景に広がるブドウ畑、黄金色の石造りの建物。いつ来てもボジョレーは美しい、絵になりますね~と、見とれていたら、農薬散布が!
現実の世界は映画「未来の食卓」に描かれるままです。
ブドウの花が咲くこの季節は一番病気がつきやすい時なので、手間をかけずに収穫を欲しい農家は、どうしてもたっぷりと薬を撒いてしまいがち。
たしかにボジョレーヌーヴォーの大部分は工業的な加熱色抽出法で作られるため、どんなブドウでも単なる原料としては同じこと。しっかりと手間をかけるのがバカバカしくなるのでしょう。AOCという一見農家保護に思える、実はネゴシアン保護の制度が最もよく機能しているのが、シャンパーニュとボジョレーなのです。どちらも不人気な安ワインを世界的に注目されるブランドに変身させた、マーケティングサクセスストーリー。とにかく同じモノが大量に作れないといけないので、醸造は農家の手を離れて大資本の近代的工場に委ねられています。そんな中にも、あまのじゃく的な素晴らしい生産者がいてくれるのが救いです。
雑草がいっぱいの畑に入ると、みんなドアットさんの説明に聞き入って、熱心にノートを取っています。
醸造所でははしごを発酵タンクに掛けて、上から覗いて蓋付の構造を確認。ブドウを潰さずに房ごとタンクに詰め込み、自分の重みで潰れて発酵することでできるアルコールと炭酸ガスの力で色を抽出する伝統的製法には、この蓋が重要。なければ炭酸ガスは空気中に逃げてしまうので…
そしてオーガニックでも多くの生産者たちが炭酸ガスボンベを使い、発酵前にガス充填して抽出にかかる日数を半減させているのに、しっかりと伝統を守るドアットさんのところには、ボンベはありません。
その後は山羊のチーズと天然酵母パンをつまみながら2009年のマヴィオリジナルワイン(ボジョレー私家版)を試飲。
いい年だったので、素晴らしい状態に仕上がっていました。
次の船で入荷する予定、お楽しみに!