スペインバルの定番!トルティーリャ(スペインオムレツ)を作る
スペインのバルで楽しむタパス
スペインの街を歩くといたるところにBAR(バル)がある。置いてある酒に大差はないから、僕はTapas(タパス)が美味そうな店を選んで入る。
近年日本でもスペインバルが流行っていて、タパスという言葉を知る人も増えたと思うが、日本語にすると「酒のつまみ」が妥当なところか。気の利いたBARならワインを頼むとサービスで小皿にポテトチップやオリーブの実やピーナッツを盛ってくれるが、それよりもカウンターのガラスケースに手作りタパスを並べてあると、もっと嬉しい。
小さく切って楊枝で食べるつまみはPincho(ピンチョ)、ある程度の大きさに切りお皿に盛ってパンが付いてくるのはRacion(ラシオン)と呼ぶ。日本人にはワインやビールとラシオンで1人前の食事になるから、昼夜ともレストランではなく、どちらかはBARで済ませるのが楽だ。
タパスの代表格・トルティーリャ
そんなBARの手作りタパスの代表格と言えるのがトルティーリャ(トルティーヤ、トルティージャとも)だ。
ハッキリ言ってどこのBARにもある。原材料のジャガイモと卵はコストが安く、冷めてもいいので営業前に作り置きができ、切り分けて提供するからロスなく稼げる。スパニッシュオムレツと訳されるが、日本で想像するオムレツとはだいぶ形が違い、お好み焼きのような円盤型だ。
トルティーリャの簡単な作り方(レシピー)
BARのトルティーリャの具はジャガイモだけのことが多いのだが、家で作るなら好きな具をいろいろ加えてもよい。今日はちょうど旬の新じゃがと新玉葱とインゲンを使ってみた。
ジャガイモは皮を剥いて半分に切り、薄くスライスする。
玉葱はみじん切りではなくザクザクと細かく切る。
これを深めのフライパンに入れ、たっぷり目のオリーブオイルで炒める。
スペイン人はまるで揚げ物のように大量の油を使うが、油っこくなるのが苦手な場合はやや控えめ位がよい。
中火でゆっくりと炒め、玉葱とジャガイモに少し色が着いてきたところで、細かく切ったインゲンを加え、塩と黒胡椒を振ってさらに丁寧に炒め続ける。
ジャガイモがこのくらい細かく崩れたらちょうどいい感じ。
ここに塩胡椒を振った溶き卵を加えて、かき混ぜると、端から固まって来るのでヘラで周囲を固める。卵の量は1人分で2個くらいが目安。これは好みなので、何度か作って自分で加減して欲しいが、コレステロールもあるから自制どころ。
ある程度焼けたら、揺すってみて焼き面が焦げ付いていないのを確認してから、一回り大きいフライパンをひっくり返して蓋のように被せ、全体をひっくり返して、反対側を焼く。
蓋にするフライパンを少し熱してオリーブオイルを引いておくのがポイント。そうしないと焦げ付く。
ひっくり返しは一瞬で手早く!
ヘラで周囲を整えて、両面焼きあがったら出来上がり。
火を止め、大皿を被せてひっくり返して盛り付ける。
注意して欲しいのは、調味がオリーブオイルと塩と黒胡椒のみなので、材料の善し悪しで味が決まるということ。
卵はできたら平飼いを選ぼう。
また工場で作られたオリーブオイルを使うと、ベタっとくどくなるから、ぜひ農家が自家で搾ったエクストラバージンを使って欲しい。僕はゴメス・ネバドさんのオリーブオイルが一押し。香りも味も全然違うのでぜひ試して欲しい。
大皿から銘々好きな大きさのラシオンに切り分けて供するが、バゲットを添えるとよりバル風になる。
トルティーリャとワインのおすすめマリアージュ
卵料理だから赤ワインでもいいし、ゴメス・ネバドさんの辛口シェリータイプのドラドもよく合うが、油を控え目にしてあるので、コティーノさんのSOLOカヴァやMONカヴァとの相性は抜群。
トルティーリャを一口食べてSOLOカヴァを口に含むと、柔かい泡ときれいな酸が、ジャガイモと卵という重たくなりがちな食材をサクッと上品に変化させてしまう。
じっくり炒めるのに時間が掛かるから、最初からカヴァを片手に料理するのもあり。週末の午後にでも、のんびりと楽しんで欲しい。
モン カヴァ ブリュット
スペイン・バレンシアの地場品種ボバルを使ったワイン。赤い果実にキルシュを感じる香り。細やかなタンニンに黒果実やスパイスの香りが心地よい仕上がり。
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