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ワインの話

コッレマーレ ピノグリージョ|新着のイタリア スパークリングワインを試す

2023年4月にムザラーニョさんを訪問した際に、昨日詰めたばかりというコッレマーレピノグリージョとプロセッコのスパークリングワインを飲ましてもらった。すこぶる美味しかったので即決したものの、イタリアからの春便コンテナの集荷に間に合わず、秋の便でようやく届き、12月の発売となってしまった。まあ、ボトルに詰めて8ヶ月の間にいい熟成具合となってきたから、ちょうどよかったとも言える。

コッレマーレ:ハイクラスのスパークリングワイン

以前から販売しているスプマンテ ヴェネチアはリーズナブルで美味しい。ただ僕としてはもう少し深みが欲しい。ムザラーニョさんも同じように感じていたのだろう。

元来、ムザラーニョ家は建設業で有名なヴェネチアの実業家で、趣味が高じてワイナリー経営を始めたという家柄、孫の20歳の誕生日に本物のフェラーリ ディノを与えるというほどの資産家だ。言うまでもなくファミリーは皆リッチ。ファミリー用に少量生産していたスパークリングワインを市販することにしたのがコッレマーレシリーズと考えるとわかりやすい。

ちなみにColleは丘、Mareは海で、海から近く丘陵の連なる土地を表す。ラベルデザインは奥様が描かれた。

スプマンテ コッレマーレ ピノグリージョ

初回はピノグリージョをリポートする。

ロゼではないが色合いは濃く美しい。ボトリングしたての4月には強い果実味で甘さも感じたのだが、これが落ち着いて深いまろやかさに変化して来ている。

ヴェネツィア版タパスcichetti「チケッティ」

4月に訪問した際は、ムザラーニョファミリーとプロセッコとピノグリージョをヴェネツィアの居酒屋的レストランbacaro(バーカロ)に持ち込み、ヴェネツィア版タパスcichetti「チケッティ」との組み合わせを堪能。アペリティブとしての実力は実証済み。

コッレマーレ ピノグリージョと豚の生姜焼きを試す

力強いのでアペリティブだけでなく、十分に食中酒にも使えるだろうと、我が家の定番「豚の生姜焼き」で食中酒としての実力を試してみることにした。

生姜焼きの味付けはちょっと変えている。

通常は、しょうがを摺りおろし、濃口醤油たっぷり、みりんたっぷりを使い、濃く甘く仕上げるが、今回のバージョンは、しょうがを摺おろし、醤油は少量、みりんではなくコッレマーレ ピノグリージョをたっぷり使い、少しの砂糖で甘みを足して、軽やかに甘味控えめに仕上げた。

豚肉自体の味がはっきりとわかるので、脂身の少ない上等な肉が良い。

付け合わせは、パプリカ、トマト、ニンジン、玉ねぎをざっくり切って炒め、仕上げに塩少々、バルサミコ酢を振りかけて火からおろした。

コッレマーレ ピノグリージョは豚肉をしっかりと包み込む。脂感だけを断ち切り、後味の美味しさを長く残してくれる。

シャンパンフルコース用のメインディッシュに使う理論なのだが、ソースを濃くしないようにして、味のバランスを合わせる。シャンパンのような重さがないから気楽に楽しめ、しかも同じメソッドが通用する力強さを持つというのが、このワインの特徴だろう。

とても分かりやすい美味しさがあるので、年代を問わずにおすすめでき、単体で飲み続けられるスパークリングワイン。しかも食中酒としても使える。我が家のセラーに常備することにしよう。

コッレマーレ ピノグリージョ 発泡

田村安

マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne

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