実は簡単、わかりにくいブルゴーニュワインAOCの違い
Appellation d’orijine Controlee、略してAOC。フランスのワイン格付けの最上位とされ、フランス全体では380制定されている。その内ブルゴーニュのAOCは84。うーん多い。
ワインの格付け
フランスのワイン格付けは次の3段階と考えるとわかりやすい。
AOC | 特別に限られた産地名を名乗ることを許されたワイン |
Vin de Pays | 地方名を名乗ることを許されたワイン |
Vin de Table | 無格付けの日常ワイン |
本来、AOCは特別のワインなので生産量は限られるのだが、ブルゴーニュは作られるワインのほとんどがAOC格付けとなる例外的な銘醸地。生産されるAOCワインはAOCブルゴーニュを名乗れる。その中で特別な要件をクリアするとより狭い地域、区画のAOCを名乗ることができる。つまりこの各AOCの違いを知る必要が出てくるので、ブルゴーニュワインの格付けは複雑だといわれる。ただ地形を理解するとそれほどでもない。
ブルゴーニュの地理
西のモルヴァン国立公園から続く高地と、東のソーヌ川沿いの低地には高低差がある。断層が走っているのだ。この断層の地下には複雑なミネラルを持つ地層が混じる。高地から低地への斜面をコートと呼び、一番の銘醸ワインを産み出す畑になっている。
高地はオートコートと呼ばれ、断層に近い部分は良好な地層だが冷涼な気候になり、どちらかというと白ワイン向き。低地にも畑はあるが、水捌けも地層も格別とは言えず、AOCブルゴーニュとしか名乗れない。
コート(斜面)に植わるブドウの根は深く、様々なミネラル分を吸収する。コートの中でも良質な地区はヴィラージュ、その中でも更に地域の特徴を持つ地区は村名を名乗る。また極めて複雑な地層なため、わずか数十m離れただけでも地質が違い、特に優れた畑には畑名AOCが付く。これはプルミエクリュとグランクリュにさらに区別される。有名なシャンベルタンやロマネコンテはこのグランクリュになる。もちろんだがこのAOCタイプ順で値段が上がり、手に入れ難くなる。
南北に長いブルゴーニュのぶどう産地でも、この断層がはっきりとしているのが北部のニュイ地区で、複雑で力強いワインを産む。
その南隣のボーヌ地区は断層こそ顕著ではないが、複雑な地層でミネラルのしっかりとした優しさのあるワインを産む。
その南のシャロネーズ地区やマコネ地区は丘が低く、量産ブルゴーニュワインの産地になっている。
ブルゴーニュワインは高価だ。ニュイ地区とボーヌ地区の別格ワインの名声に釣られて、ブルゴーニュと名前が付けば世界中から引く手あまた、量産ブルゴーニュワインでさえも高値で売れてしまう。そこで、見極める目を持つためにもちょっとした知識が役に立つ。
マヴィの生産者
マヴィのオーガニックワイン生産者は、ニュイ地区プレモー村のペルチエさんと、ボーヌ地区サントネー村のシャペルさんで、どちらもれっきとしたシャトーに住む名家。
グランクリュこそ持たないが、プルミエクリュまでの畑はある。また単にブルゴーニュと名乗るワインでも、実はコート畑のぶどうも使われているという嬉しい共通点もある。
ヨーロッパに住んでいた頃は重いフランス料理を常食にしていたのと、世界的に高名な村名に魅かれてニュイ地区のワインを好んで飲んでいたが、日本に帰り四半世紀も経つと軽やかなフランス料理に嗜好が変わり、このごろはサントネーを飲むことの方が多くなった。
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