フランスオーガニックワイン生産者訪問10
まずはシャトー セニャール ド ポミエにピヴァさんを訪問。13世紀に英国王エドワード2世が建てた城で、いかにもあちら風時代劇で騎士が出てきそうな佇まい。
出迎えてくれた当主のジャンリュック ピヴァさんは、まず先週の嵐で倒れた大木や散らばった倒木を示して、これまでにはなかった凄まじい嵐だったと話してくれました。地球温暖化で気候が凶暴化していることを実感!
シャトーの庭の樹齢数百年の木が風で倒れるなんて、全くの想定外。実際目にしないと信じられるものではありません。
ピヴァ家のワインはこのシャトーに相応しいグランヴァン。ジャンリュックは収集癖があるようで、毎年コンクールに出品してメダルを獲得。飾り場所がなくなるほどの賞状の数です。もちろん、城には部屋がいくつもあるからいいのですが…
超強行スケジュールのこの日、ピヴァ家をそそくさと辞してソーテルヌのフェルボス家へ。
ここも嵐で屋根が吹き飛ばされる被害を受けていました。
畑をさくっと見て、家の居間で試飲。 さすがにソーテルヌ。甘いワインなんてという顔をしていた福岡店スタッフたちも「わー、美味しい~」と一変。広い畑なのにほんの僅かしか造れないワインの量に驚いていました。
貴腐ワインのソーテルヌは甘口なので、デザートワインと思われがちですが、フランスではフォアグラとのマリアージュ(相性)が定番となっています。フルコースで前菜にフォアグラが出る場合、ソーテルヌを抜いてもらい、1~2杯は前菜で飲み、残りをデザートで合わせるのがスマートで超おすすめ!
ソーテルヌをアペリティフに留め、グラーヴのラビュザン家で昼ごはん。
84歳のポーレットがボルドーの伝統料理、鶏と野菜を茹でて待っていてくれました。
極めてお手軽なこの料理はただ単に鶏を骨付きぶつ切りにして、にんじんやジャガイモやカリフラワーなどの野菜と一緒にぐつぐつとゆっくり塩茹でにするだけ。食べる時にマスタードをちょっとつけると味にメリハリが出ます。まあ洋風おでんみたいなもの。
当然、やわらかなグラーヴ赤ワインによく合います。
食後の運動という感じで畑を訪問。孫のアドリアン君も一緒に来てくれました。1963年からオーガニック認証を受けている、ボルドーでもパイオニアポーレットの畑を、これから守ってくれる後継者です。
「サスティナブル!」半世紀近くも、とってもエネルギッシュに、でもしなやかにに先頭を駆けてきたポーレットと会う度に感じます。
そんな気分を残したまま、急いで空港へ向かわなくてはならないこの旅は、全然サステナブルじゃないよ(泣)