ボジョレーヌーヴォーのオールドヴィンテージ?!
熟成ボジョレーヌーヴォーとの出会い
マヴィ開業当初、ボジョレーに初代のボジョレー生産者のドアットさんを訪ねた際に、前年のボジョレーヌーヴォーが残っていて、それを飲ませてもらったところ、あまりの美味しさに驚いた。
熟成感があり、新酒よりもよかった。その頃は何も知らなかったので、ドアットさんに「ボジョレーヌーヴォーは熟成できるのか?」と質問したら、「ボジョレーヌーヴォーでも、伝統製法の『マセラシオン セミ カルボニック』の物ならば熟成する。」との答えが戻って来た。
熟成ボジョレーはブルゴーニュの趣
赤ワインが熟成するために何年もかかるのは、タンニンがたくさん存在するためワインの変化を遅らせているからだろう。ボジョレーヌーヴォーは赤ワインだが、その特殊な製法のためタンニンが極めて少なく、ワインの変化速度が速くなる。そのためブルゴーニュワインなら2~3年かかる熟成状態に、1年で到達できてしまう。もちろんポテンシャルはブルゴーニュの偉大なワインとは比べられないが、味わいはそれに近い!
そして数年熟成させると、ブルゴーニュの古酒の領域に近づく。これは十分楽しめる。しかもかなりリーズナブルに!
熟成できるボジョレーとできないボジョレーの違い
一般に売られるボジョレーヌーヴォーのほとんどは促成製法の『マセラシオン カルボニック』や超促成製法の『マセラシオン ア ショー』で造られている。これらのボジョレーヌーヴォーは熟成できない。
この製法の違いについては「【特別公開】オーガニックワイン講座ボジョレー地方編」に書いたので、そちらを参照して欲しい。
ボジョレーヌーヴォーの垂直テイスティング
マヴィのボジョレーヌーヴォー解禁パーティーでは「ボジョレーヌーヴォーの垂直テイスティング」が目玉イベントだった。垂直テイスティングというのは、同じ生産者のワインをヴィンテージ違いで飲み較べてみることだが、「新酒」であるヌーヴォーを飲み較べるというのはなかなか無い。
同じ畑のワインでも、毎年の気候の違いでずいぶん違った性格に仕上がるので、これを比べるのも面白いから、社内でボジョレーヌーヴォーの垂直テイスティングを始めたところ、一緒に愉しみたいというお客様が集まり、目玉イベントになった。
その後ドアットさんが廃業して、シュブランさんがヌーヴォーを造ってくれるようになってもイベントを続けてきたが、コロナで赤坂から自由が丘に移転したため、狭い店なのでイベントを開けないのが残念だ。
そこで垂直比較のため昨年2023年のボジョレーヌーヴォーを1年熟成させたので、ぜひお試しいただきたい。
ボジョレーヌーヴォーの古酒、熟成したオールドヴィンテージワインの世界をお手軽に楽しみあれ。
ボジョレーヌーヴォー2023 熟成版 赤
瓶詰め後、1年間熟成させ落ち着いた味わいが楽しめます。今年のボジョレーヌーヴォーとの飲み比べもおすすめです。
田村安
マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne
ヴィンテージワインとは何か?どう楽しむのか?などは、こちらの記事を参照いただきたい。
2024年ボジョレーヌーヴォー到着