急速に熟成するボジョレーヌーヴォー|はた酒店ボジョレーワイン会2018
11月の勤労感謝の日の3連休に、山陰の名峰、伯耆大山の麓のはた酒店で「ボジョレーヌーヴォー解禁を楽しむ会」を開催するということで、鳥取県に行って来ました。
山陰線の下市駅下車徒歩1分という、駅前好立地ですが、下市駅には2時間に1本程、1~2両編成のディーゼルカーが停まるだけなので、ちょっと不便かも。それでも40人近くもの参加者が集まって来られるのは、店主畑真理子さんのお人柄。1回では無理で、連休の2日間に振り分けての開催という大盛況。
なんと大阪から来られた美人CA二人連れも!(サーファーだそうで、ここの前の海は有数の波乗りスポットとのこと!)
僕が解禁日は東京を離れられないので、1週間待っていただけるのは、申し訳ないのですが、メリットもあります。
実は無理やりの過熱製法で造る市販のボジョレーヌーヴォーと違って、またボンベから二酸化炭素を加えるマセラシオン・カルボニックでもなく、自然発生の二酸化炭素のみを使用する伝統製法では解禁日の11月第3木曜日では熟成がギリギリ、解禁日から1週間を経た方が熟成が進んで断然おいしくなってきます。
持参したプロジェクターでボジョレー講座をしましたが、休日のランチ会ということで、みなさんしっかりと聴いてくれました。
講座の後は食事とワイン。「昼酒はちょっと背徳感があって素敵」とは参加者の言葉。
はた酒店の2階からは軽鴨の住む田んぼの向こうに日本海が見渡せ、気持ちの良いロケーション。普段からカフェとしても営業されています。セミプロ料理人が腕を振るって、地元の新鮮な大山鶏や無農薬野菜がおいしい。
通常ボジョレーヌーヴォーは野菜料理とのマリアージュにぴったりなのに、今年は出来が良すぎて肉系に振れたので、メインディッシュは大山地鶏のプレート。全部美味しいけど、僕の好みは画面右奥の山芋とヒジキのポテトサラダ。ジャガイモよりもずっと上品でした。
12月に入り、ボジョレーヌーヴォーの熟成は急ピッチに進んできて、どんどん美味しくなってきています。通常、ワイン熟成の変化観察には長い年月と忍耐が必要ですが、ボジョレーヌーヴォーならば待たなくても大丈夫。味わいの変化でマリアージュ組み合わせも変わってきます。毎月1本のペースで観察記録を付けてみるのも面白いですよ。
田村安
マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne