今年のボジョレーの出来は最高?|2018年の予想
オーガニックワイン講座地方編のプレゼンを見直しているのですが、最近の気候が随分変わってきていると感じて、データを取り直してみることにしました。
大都市だけでなく、小都市の気象データも入手できるWorld Weather Onlineという気象情報サイトでは、2009年以降の月別気象データが閲覧できます。
残念ながらダウンロードできないので、手作業でExcelに移してワイン産地の気候表をコツコツと作っているのですが、毎年の傾向があまりに違うことに唖然となりました。
ボジョレーヌーボー解禁が近づくと、毎年風物詩のように「今年のボジョレーは最高の出来!」というニュースが流れます。本当でしょうか?
農作物であるぶどうの出来はその年の天候に左右されますので、数字から検証してみることにしました。
これはボジョレーの中心地Villefranche-Sur-Saoneの気象データのグラフです。
雨と湿気も農作物に大きな影響を与えます。
2014年7月は雨が多く病害が蔓延しました。2017年と2018年8月の雨は高温による雷雨が頻発したことを表します。
雷雨は雹害をもたらしますが、局地的なので運が悪いと全滅ですが、隣の畑は被害なしということもよくあります。
2015年は9月に雨が多く収穫時に悪影響が出たところもあります。
今年の9月は乾いた好天が続き、素晴らしい状況で仕込みが行われました。
今年のデータを読むと、雹の被害さえ受けなければ、過去5年間で最高の出来を期待できそうです。
美味しい年はすぐに完売する傾向がありますので、今年のボジョレーヌーボーは早めに購入予約されることをおすすめします。
田村安
マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne