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ワインの話

ボジョレーヌーヴォー 2019の出来は?|地球温暖化と気候変動の影響

ワインの話

ワインの出来は天候に左右される。地球温暖化で気候変動が激しくなり、日本でも竜巻が多発したり、台風で大洪水被害が出るなど、従来の常識ではありえないことが当たり前になってきている。

今年6月にヨーロッパを旅した際、あちこちの生産者から、5月初に大寒波が来て遅霜の被害が大きかったことを聞いており、旅行中にはちょうど大熱波が襲いフランスでもドイツでも40℃超の猛暑、毎日記録更新が報じられるという異常事態となり、「ここまで暑くてぶどうの樹は大丈夫なのか?」と随分気を揉んだので、帰国後も折に触れて現地の作柄を気にかけていた。

幸い、ボジョレーのオーガニックワイン生産者のシュブランさんとランポンさんからはよい出来との報告が届き、胸をなでおろしたのであるが、どんな気候だったのかをボジョレーの中心地であるVillefranche-sur-Saôneの気候記録で見てみよう。

2019年1月2月3月4月5月6月7月8月9月
最高気温平均31112141525272520
最低気温平均2446714171611
降水量 7438491529611113420662
過去5年間平均1月2月3月4月5月6月7月8月9月
最高気温平均5611131622252520
最低気温平均11361015181612
降水量9899829714012912710595

2019年は暖かい春だったので芽吹きは早めだっただろう。5月は寒く、ぶどうの若芽には厳しい初夏。6、7月は暑く、8月は平年並みだが恐らく雷雲が発達して雹が降っただろう。9月は平年並みで中旬の収穫。みんな半袖Tシャツ姿で作業しているので好天に恵まれた様子。写真ではたわわに実った美しく痛みのないぶどうの房がたくさんなのでひと安心だ。

平均ではなく各年と比較してみると、どうも出来の良かった年の2015年、2017年、2018年グループと、2013年、2014年、2016年の悪かった年の2グループに峻別される気がする。
従来の常識の幅を超えた変動のため、昔のように暑ければ当たり年という訳ではなくなってきた。ボジョレーやブルゴーニュのような北の産地のワインは、過度の糖分よりは適度の酸が重要なファクターとなる。2019年はよかった年グループではあるが、夏の後半の気温が若干低めで、おそらく糖分が勝ち過ぎず、ボジョレーらしい酸もしっかりと期待できるのではないか。

もしかしたらここ数年で一番の味わいになっているかもしれないという予感を持って、解禁日を待ちたい。


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