フランスオーガニックワイン生産者訪問9
タリ家を辞して一路北へ、カオールのゴダンさんを目指します。カオールは高速道路のルートから外れた過疎地、村々を抜ける街道をひたすら走り3時間。約束の時間を過ぎて夕暮れが迫る頃にようやく目指すサンマートル村に到着。ゴダンさんは寒さをものともせず外に立って待っていてくれました!
ゴダン家の造り手は奥さんのアンヌさん。忙しく畑仕事や醸造を完璧にこなした上、県会議員まで務めるスーパーウーマン。実に堂々としています。ご主人のオリビエさんは料理や営業を担当し、ワイン副産物のポリフェノール入り化粧品に取組んでいます。
カオールのワインは黒ワインと呼ばれるほどに濃く、ポリフェノール含有量が高いため、若い内は渋くて飲めたものではないけど、熟成を重ねるとまろやかさに変化します。重さ充分で合わせるのはフォアグラやトリュフといったフランス料理を代表するご馳走。とはいえ生ハムやチーズとの相性もよく、ちょっとしたもてなしにも贅沢感を演出します。オリビエさんがせっせと作ってくれるご馳走に大満足。
ブルターニュ海岸ゲランド産の風で乾した塩に、カオールワインで色と香りを付けた自家製の特製塩は、甘さがあってステーキやサラダや温野菜に振り掛けるとおいしさが際立ちます。ピンク色がきれいで、実はそのまま舐めるとワインのあてになってしまうほどの逸品。僕もパーティーの際などに使ってお客さんをびっくりさせています。
お腹が一杯になった後は化粧品Vino-Cure。オリビエさんとボルドー大学との共同研究で生まれた製品です。実は僕もここ数年来ゴダンさんの保湿クリーム、髭剃り後クリームなどを愛用しています。ポリフェノール入りでアンチエージング効果あり。残念ながら日本の薬事法の手続きが極めて面倒。少量輸入ではコストがかかりすぎるため、ゴダン家を訪問する時に自分と友人分だけ買って帰るだけで、日本では入手できません。
どこかか輸入してくれる会社があればいいのですけど…
福岡店の女性スタッフたちも自家用にたっぷり買い込んでいました。
日がとっぷりと暮れてボルドーへ夜道を続けるため、ゴダン家を辞しましたが、オリビエさんはずっと立って手を振って見送ってくれました。