1. HOME
  2. 産地・生産者情報
  3. 生産者レポート
  4. フランス出張レポート2020(その4)ミレジムビオ
生産者レポート

フランス出張レポート2020(その4)ミレジムビオ

生産者レポート, 産地・生産者情報

1月にフランスで開催された世界最大のオーガニックワイン展示会「Millésime Bio(ミレジムビオ)」

今回もミレジムビオで白ワインを中心に試飲しました。

ミレジムビオで白ワインを試飲!

いよいよフランスのモンペリエで開催されるオーガニックワインの展示会「ミレジムビオ」がスタートします。

ミレジムビオの会場

22年前のマヴィ創業時には、50軒に満たない生産者しか参加してなかったミレジムビオも、その後どんどん拡大し、今年は過去最大の1350件を超えるワイン農家が参加しています。
あまりの巨大さに会場の敷地面積もどんどん拡大。3日間の開催とはいえ、回りきるのは不可能なほどの広さになって来ました。

まずは会場内地図をチェックして、マヴィの生産者さんがどこにいるか確認します。

会場をチェックするボワソーさん

1日目の今日は白ワインだけを試飲。明日は赤ワインだけを試飲して回ります。
会えた生産者さんを順番にご紹介して行きますね。

ビオディナミのパイオニア、メイエー家(フランス・アルザス)

まずはフランス・アルザスのメイエーさん

メイエー家当主フランソワと息子グザヴィエ

当主のフランソワと跡継ぎである息子のグザヴィエが来ていました。

グザヴィエはドイツの醸造学校で3年間の勉強を終え、昨年6月に無事卒業。父の元でワイン作りをスタートしました。

2019年の状況を聞くと、良い年で満足してるとのこと。春から初夏は多雨、6月からは極端な猛暑で乾燥して心配でしたが、ぶどうが苦しくなる直前8月に雨が降り、結果的に良い仕上がりになったそう。

そして昨年はビオディナミ50周年(※)を迎え、盛大なパーティをしたのだそうです。蔵を解放して地元の郷土料理タルトフランベをふるまい、何と850人ほども集まったそう。

50年もの間ビオディナミを続けるパイオニアは、多くの人に愛されていますね。

新聞にも取り上げられました

※ビオディナミ…オーガニック農法の中でも、独自のプレパラシオンや天体の運行を取り入れた農作業のカレンダーなどを使う独自の農法。メイエー家フランスで初めてビオディナミでのぶどう栽培に取り組んだ農家です。

父の後を姉弟が継ぐ、マントラー家(オーストリア・ニーダーエスタライヒ)

そして、メイエー家とは国を超えて仲良しのオーストリア・マントラー家

マントラー家のアニエスとヨゼフ

アニエスとヨゼフの姉弟が来ていました。

マントラー家のヨゼフとメイエー家のグザヴィエは同じ醸造学校の学友でとても仲良しなのです。

昨年2019年の出来はとても良く、ここ10年くらいでベストのヴィンテージだそう。

最近は気候変動による水害や、暑さがどんどん厳しくなっている話も聞きますが、ここもやはり2017年から暑い年が続いていて、中でも昨年は一番暑かったそうです。

ただその分、暑さに対する学習を毎年行っていたため、今回それを生かすことができ、素晴らしい仕上がりになったそう。

ワイナリーにとって天候が難しい年は逆に良い年とも言える。工夫や知恵を重ねて、ワイナリーならではの腕が味に出せる年だから、とヨゼフ。

若くてエネルギッシュな姉弟

まだ若いのに頼もしいこと言うなぁ、でも若いからこそのエネルギッシュな言葉。これからが楽しみになりました。

銀賞受賞!実力派のタリ家(フランス・ラングドック)

そして、マヴィ創業期より20年超のお付き合いのタリさん。

いつも朗らかなタリさんご夫妻

今年のミレジムビオのコンクール「チャレンジミレジムビオ」で2つのメダルを受賞しました。

2つ並んだ「Médaille d’argent(銀メダル)」の文字

選ばれたのは、

シャルドネ樽熟 白

ヴィオニエ 白

白ワインでのダブル銀賞受賞でした。

おめでとうございます!
マヴィ創立記念オリジナルワインのシャルドネ

2019年の天候はどうだったか聞いてみると、簡単な年ではなかったけど、最終的にはとても良いぶどうが取れた。
凝縮感とフルーティさのバランスが良く、量も十分で今年は必要な本数を作ることが出来そうとのこと。

昨年までの数年間はタリさんにとって、畑が水害で流されたり、霜にやられて大分量が減ってしまったりと、過酷な年が続いていたので本当にホッとしました。

さっそく試飲してみると、レモンのコンポートやフレッシュなグレープフルーツの香りに、白い石、青い草が爽やかに混じります。若々しいので開けたては大人しいですが、グラスを回すとどんどん香りが広がります。
味わいもすごく美味しい柑橘のコンポートを頬張ったような果実味と、後味の心地良いほろ苦み。温度が上がるにつれて楽しめるので、冷やしすぎない方が良さそうです。
凝縮感がありながら強すぎない。本当にさっき教えてくれた2019年の天候そのものがそのまま味わいに表現されていると思いました。

タリさんのワインは年による味の違いが、他の作り手さんより大きい印象を持っていました。
もちろん、違いがあるだけでどれも美味しいのですが、マヴィで販売している2018年のピノノワールも、以前とかなり違う味わいになっていて驚いたので、今回ぜひ聞かねば!と思っていました。

タリさんの答えは、「大会社だったら味を調整するだろうけど、僕はそうはしない。ここ最近の暑さで強く仕上がったピノノワールは、新樽に入れて長く熟成させれば飲みやすくなるのかもしれないけど、テクニックで変えてしまうのはちょっと違う。それでは毎年の天候の違いが表れなくなってしまう。僕はいつも同じ味に仕上がる工業製品を作ってる訳ではないから、年による違いはつきもの」とのことでした。

その年の味わいを大切にするタリさん

2019年の天候がしっかりと表現された オリジナルワイン シャルドネ は3月下旬に日本に到着します 。

次回以降もフランスを中心にたくさんの生産者さんを紹介しますね。

2024年オーガニックボジョレーヌーヴォー到着