フランス出張レポート2020(その1)
1月にフランスで開催された世界最大のオーガニックワイン展示会「Millésime Bio(ミレジムビオ)」。
ボルドー到着!
フランスに到着してまず最初に向かったのはボルドー。
ボルドーといえばワインの聖地。
空港で荷物をピックアップに行くと、まずこんな巨大ボトルが迎えてくれます。
でも今回のボルドー訪問の目的は、ワインではなくこのオーガニックはちみつです。
オンラインショップでは現在欠品中ですが、こちらのはちみつ、現地に発注をしても品切れが続いてなかなか輸入出来ません。
昨年取れた量もかなり少なかったらしいのですが、いま世界的にミツバチの数が減り、あちこちで大量に失踪してしまう現象が起きているので心配です。
日本でも昨年おととしと大不作で、納得出来る質のはちみつを確保出来ないため、閉店したり百貨店に卸すのを辞めたところもあったそう。
ミツバチが居なくなるということは植物間の受粉が出来ないということで、生態系への影響は計り知れません。
フランスではどんな状況なのか、そんな話も聞けたらと思いはちみつ生産者のピレさんのところに向かいます。
空港を出てボワソー教授と合流。
1年ぶりの再会をしたところで「実は残念な知らせがある」と珍しく神妙な顔です。聞くと、なんとピレさんの家族に急遽不幸があり、訪問出来なくなってしまったとのこと。
ピレさんのところにはなかなか訪問の機会が取れず、今回楽しみにしていただけにショックでした。
残念な気持ちを抑え、それでは新しい生産者として昨年マヴィに加わってくれたフルコーさんの所が近いので、今から行けないか打診してみるも、残念ながら不在との返答。
場所はソーテルヌ、ボルドーの中にある世界最高峰の貴腐ワインの産地ですが、さすがに当日すぐは無理ですよね…。
ガスコーニュのバロー家へ
ならばもう1軒、訪問したかった別のワイン農家に行けないか急遽連絡。
ガスコーニュ地方のバローさんで、ボルドーからは内陸に南下した南西地方にあります。
バローさんは来週から始まるミレジムビオ(=世界で一番大きいオーガニックワインの展示会)に来るので会えるのですが、ブースはいつも人に囲まれていて、昨年はゆっくり話を聞くことが出来ませんでした。
この可愛いパッケージの箱ワイン、愛用くださってる方も多いかもしれませんが、バローさんのワインです。
この箱ワイン(ガスコーニュ キャトル セパージュ 白 3リットル)は昨年、ちょうど飲むのに美味しい時期に品切れとなり、夏の間、欠品で皆様をがっかりさせてしまいました。
その後も輸入出来ない状況が続いたので、直接会って詳しい話を聞きたかったのです。
でも何しろ当日の訪問、しかもあさってにはミレジムビオ会場に向かわなくてはならず、忙しい最中なのは間違いありません。
ダメ元で連絡を取ってみたところ、夕方くらいなら大丈夫とのことで、さっそく向かうことになりました。
ここのご主人のダミアンさん、本当に優しい方なんです。
到着すると、まず迎えてくれたのは目を引く大きな醸造タンク。地元のアートイベントの際に3人のアーティストに描いてもらったそうです。
先ほどの可愛い箱ワインのパッケージも地元アーティストの作品ですが、たまたま本屋でそのアーティストの絵本を見つけて気に入り、お願いしてワインのパッケージに使わせてもらっているそう。
ダミアンのアート好きな一面が伺えますね。
建物に向かうと、ダミアンが迎えてくれました。
家の中に入ると、さっそく試飲用のワインを出してくれて(ガスコーニュ白、ガスコーニュロゼ、ノワゼット)試飲しながらお話を聞きました。
展示会の準備に追われる中、丁寧に説明をしてくれるダミアン。
新しく購入した畑のことも地図を見ながら話してくれました。
この新しい畑は今までとは全く違うエリアにあり、ダミアンの息子クレマンが担当しているそう。
クレマンはカリフォルニアとアルザスでの修行を3年前に終え、父の元でワイン作りを始めました。
この新しく見つけた畑で、今までとは違う土壌と品種に挑戦しています。
新しい世代が加わり、ますますこれからが楽しみ。クレマンが手掛けるワインもいつかご紹介できる時が来るかもしれません。
いろいろ話していたら外はすっかり真っ暗になっていました。忙しい展示会の前にこうして時間を作ってくれて本当に感謝です。
輸入出来なかった詳しい状況も聞けて、今年の夏はダミアンのワインを切らすことなくお届けできそうです。