スタウトビール、アンバービールの楽しみ方-食中酒や食後酒として飲むと新しい発見!
アルザスのブレッシング家のオーガニッククラフトビール、創業から20年以上オーガニックワイン専門を続けてきたマヴィとしては、お客様に受け入れてもらえるだろうかと不安だったが、おおむね順調でホッと胸をなでおろしている。
僕が家で頻繁に飲むのはスタウトとアンバー
スタウト、IPA、ホワイト、アンバー、ブロンドの5種類の中で、よく売れるのはブロンド、IPAとホワイト。大手ビールメーカーも造っているので馴染みがあるからか。
その反対に売れないのがスタウトとアンバーだ。まあ、日本の一般的なビールから一番かけ離れているから仕方ないとも言えるが、マヴィのスタッフに聞いてみても、どうやって楽しむかを説明しにくいらしい。
スタウトビールの楽しみ方
スタウトは黒ビール。味は苦みが強く、まるでブラックコーヒーそのもの。
スタウトビールが登場するのはこんなとき
- 一番のおすすめはチョコレートケーキと一緒に。コーヒーよりもはるかに美味しさを高めてくれる。
- チョコレートケーキがなければ市販のチョコレートでも。カカオは70%を超えない方がいい。
- アップルパイやクルミのタルトも最高。
- デザートを食べ終えたら、その余韻でスタウトをお代わりしたくなるから不思議。
つまり…スタウトを楽しむのは食中酒ではなくデザートと一緒に楽しむ食後酒としてがおすすめ。
スタウトビールを美味しく飲む温度
クラフトビールは冷やし過ぎが禁物。これは好みにもよるが、一緒に食べるデザートの温度に応じてスタウトの温度を変えてみるのも面白い。コーヒーではこれはできないことだが、スタウトならぜひ試してみて欲しい。
グラスはワイングラスでもいいが、低めの温度で飲むならシャンパン用のフルートグラスがおすすめだ。いっそう華やかに食卓を彩ってくれる。
スタウトはビールというよりも、ちっとも甘くないデザートワイン。コーヒーみたいに断ち切らないのが魅力。食事の余韻と供にズルズル行きそう。。。
ブレッシング家のクラフトビールは市販のビールとは違い、シャンパン同様にビン内二次発酵で泡を作っている。そして殺菌しないから酵母が生きている!ビンの中には澱が残っているので、これを捨てるのはもったいない。
僕はグラスに少し注いだらビンをそっと揺らして泡立たせて注ぎ足す。澱もほどよくグラスに移ってくる。クリーミーな泡を失敗なく楽しめるので、ぜひお試しあれ。
アンバービールの楽しみ方
アンバーは琥珀。深みのある複雑な褐色。味はいろいろな味がちりばめられているが、まろやかさが身上。
アンバービールが登場するのはこんなとき
1.何となく軽い食事にしたくて、ワインならプロヴァンスのロゼかなと思った時。
2.酔いたくなく、サクッとスペインのスパークリングワインのソロカヴァかなと迷った時。
3.相性はタマゴとかジャガイモとかインゲン豆。ゴマもいい。
4.肉も食べたいがガッツリはいらないな。油揚げやガンモ等でちょっと油分を。
つまり…アンバービールを楽しむのは普段の食事の食中酒としてがおすすめ。
アンバービールを美味しく飲む温度
冷やしすぎはNG。特にアンバービールは決してキリッとは冷やさずにワインセラー温度(10~14℃)。冷蔵庫から出して少なくとも10分くらいは放置するとよい。栓を抜いて食卓に出しておけばいいのだが、ついグビグビ飲みたくなる気持ちはぐっとこらえること。
グラスはコップではなく、ワイングラスがおすすめ。ワインのマリアージュを楽しむ時のように、食事を味わい、その余韻の残る間にちょこっと啜る。口の中で混じり合い、美味しさが膨れ上がる。
アンバーはビールというより、ワインのマリアージュの世界に直行できるのがよい。
ぜひスタウトやアンバーで、奥深いクラフトビールの魅力を楽しんでほしい。
ブレッシング家のオーガニッククラフトビール
田村安
マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne