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マヴィ史

マヴィ設立以来のこと17

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オーガニック大学を創ろう!1

食品偽装がはびこり、どうせ消費者は何もわからないのだからと産地をごまかして加工業者が荒稼ぎするのが当たり前の風潮があります。メディアが中国産は危険で浜名湖一色産のうなぎがいいと言えば、自分で確かめもせずに鵜呑みにする消費者も問題ありと思いますが、正確な情報を確かめない流通業者は問題です。幸いにして偽装発覚すれば摘発を受け、どんな有名な老舗でも消えてなくなるという、これまでの日本では蓋をして伏せていた事実も暴かれるようになって来ました。まさに流通に携わる者の矜持が試される時代が来たと思います。ところが、オーガニックに関して言えば、まだまだ情報の真偽はあまり気にされていないようで、「言った者勝ち」の感があります。

近年オーガニックワインを探すお客様が増えてきました。これまではこんなマイナーなアイテムには目もくれなかった、一般ワインインポーターや大企業も輸入を始めました。しかし、届いた情報を確かめずに、誤った情報でもそのまま小売店に売り込んだり、メディアにニュースリリースしたりしています。オーガニック認証も受けていない、減農薬栽培のいわゆる自然派ワイン生産者を「オーガニックのパイオニア」などと呼んでいる老舗インポーターがあります。また大手ネゴシアンが持ち込んだ、オーガニックボジョレーにはラベルに「AB」が付いており、これはABという最も厳格なオーガニック認証団体の検査に合格していて、ECOCERT認証も付いているからとダブルで認証された、なんて臆面もなく誇る一部上場食品メーカーもあります。この「AB」 はフランス農水省のオーガニックロゴで、フランスで公式な認証団体よりオーガニック認証を受けていれば誰でも掲示できます。


フランス農水省のオーガニックロゴマーク

つまり明らかな事実誤認で、認証制度を全く調べたことがないのは明白です。担当者は正確な現地情報などには関心がなく、いかに流行に乗り遅れないように売るかとしか考えていないのでしょう。

こんなことを指摘さえされずにまかり通るのは、メディアが未熟だからなのではと考えたこともありました。記者は何にも勉強せず、プレスリリースや誰かの説明を鵜呑みにして記事を書いてしまうからだって。しかし、それで通ってしまうのは、オーガニックはまだまだ世の中の片隅の存在なのだということでしょう。本当の問題はどの学校でもオーガニックについて教えていないから、誰も判断基準をもっていないということです。その情報が正しいかニセモノかを見極めるには、やはりある程度の知識や経験を体系的に持っていないと無理です。だからメディアの未熟を責めるのは筋違いなのです。(とは言っても、もう少しは関心を持って、偏らずに情報を読んで欲しいとは思いますけど…)

オーガニックが普及して、みんなが持続可能な世の中を目指すようにするには、やはり専門の教育研究機関-オーガニック大学-を作るしかないと思います。しっかりとした情報集積とそれに基づく考察がたくさん発表されるようになれば、その情報を知らないジャーナリストの方が非常識ということになり、精度の高い情報が世間に伝えられることになるはずです。

(続く)

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