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マヴィ史

マヴィ設立以来のこと16

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生産者訪問ツアー

マヴィでは機会を作って生産者を頻繁に訪問しています。生産者がどんな土地でどんな作業をどんな気持ちでやっているのか、それを自分の目で見て耳で聴き、肌で感じること。わたしはオーガニックワインをただ売るのではなく、伝えたいと思っていますので、これはとても大事です。大量生産商品を情報だけで取引して流通させる、いわゆるビジネスではなく、職人の技で生み出される作品をしっかり見極めた上で、一人でも多くの素晴らしいワインを探している消費者にお届けするというライフワークみたいなものです。ですから私だけでなくマヴィのスタッフにも可能な限り生産者訪問出張をしてもらっています。出張先での業務は見る、聴く、感じる、そして味わうことを通じて、生産者や風土について、ワインの周辺をどうお伝えするかを考えることです。

ぶどうにてんとう虫9月の旅では、ぶどう収穫を体験するとそのまますぐに仕込むのだという意味を、たわわに実ったぶどうの房にてんとう虫や蜘蛛がへばりついて、害虫を食べようと待ち構えているのを、五感から理解できます。

ランポン家の畑6月の旅なら移ろいやすい天気で雨と太陽と湿気がぶどうを茂らせ、成長させると同時にベト病やうどん粉病などの病害をもたらすことを。そして罹病した花や枝を黙々と切り捨てる生産者の姿を目に焼き付けることでしょう。

2月の旅には秋に仕込んだワインが出来上がり、遠くから集い、自慢の作品を持ち寄って較べあい、交換しあい、宴では踊り楽しむ生産者たちに出会えることでしょう。そして、ぶどう畑では春を待つ準備で、前年伸びた枝を慎重に剪定して姿を見ることでしょう。

ラビュゾン家での昼食そしていつ行っても家族を挙げての心をこめたもてなしがあります。農家手作りの料理にはレストランでは絶対に味わえないものがあります。冬なら暖炉の傍の食卓で、夏なら庭先に持ち出したテーブルで。単純にサラダやパテや肉の煮込みなどの簡単な料理なのに、おいしく楽しいのです。オーガニックの自家菜園から野菜をもいだり、近所の農家と物々交換したり、自家のオリーブオイルをかけたり、自分のワインをタップリ使ってコトコト煮込んだりと、お金の尺度ではない、都会とは全く違う尺度を実感します。

マヴィのスタッフだけでなく、2004年からはオーガニックワインを販売してもらっている特約店会コパンドマヴィにも呼びかけて、毎年生産者訪問ツアーを実施しています。パッケージツアーとは違い、観光やショッピングのほとんどない田舎巡りの旅でコストもだいぶ高いのですが、「自分の目で見たこと感じたことは自信を持ってお客様へ伝えられる」と、大変好評です。

ドウェル家そこで2008年には対象を拡げ、ソニーマガジンのライフスタイル誌リンカラン、エコツーリズム旅行社のリボーンとタイアップで、リンカラン読者やマヴィのお客様に呼びかけたところ十数名の参加者が集まって、6月に南仏ドウェル家とカバニス家を訪問しました。宿も民宿に泊まったり、料理実習会があったりと普通の旅行とは一味違ったものでしたが、大変喜んでもらえました。
→ツアーレポートを読む

初めての試みはうまくいきました。来年はもっと広く呼びかけて、たくさんの皆さんと行きたいと期待しています。

(続く)

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