マヴィ設立以来のこと15
オーガニックワインの本3
その後、別の百貨店本店地下食品売り場全面改装プロジェクトチームよりコンタクトがあり、マヴィ赤坂店には関係者が何度も来店され、他百貨店催事に出店している様子も見に来たり、マヴィイベントにも頻繁に参加されたり、ボジョレーヌーヴォーの試験的取り扱いなど、2年近い準備の末に担当課長より、「アラウンド40歳の上質を求める消費者」へ向けた目玉として、マヴィにフロア中央に出店して欲しいとの要請をいただいたのです。出店費用や掛け率、お客様カード割引の扱い、内装方針、制服は、などと細かい話を詰め始めて、最終確認が出ようというときに、やはりストップがかかりました。役員レベルの壁です。この百貨店さんの現場の方はその後も諦めきれず、既存ワインコーナー改装時にバイヤーからマヴィワインを20-30アイテム並べたいという申し出をいただき、棚割り、条件、POP掲示方法などすべて決まり、2週間後の初回発注見込みまでもらったところで、またもや突然役員レベルからストップがかかりやはり破談となってしまいました。バイヤーはアイテム選定の権限をもっていますから、通常取引でこんなことはありません。
だからワイン本でラジカルな真実など誰も書かない訳です。私みたいに書いてしまうと、会社経営を危険に晒すことになり、まともな経営者ならば誰もやるはずがありません。春秋社の神田社長に言われた「覚悟」 とはこのことだったのです。しかし私は全く後悔をしていません。昨今の食品スキャンダルが示すとおり、隠せおおせるのはしばらくの間だけで、真実は発露するもので、その時に有名大企業といえども倒産の危機に見舞われます。こんなニセモノばかりが蔓延っていては、いつかワイン業界も業界ぐるみ危機に瀕する日が来るだろうと思います。マヴィの価値はその時こそわかってもらえるでしょう。
- オーガニックワインの本(春秋社刊)
(続く)