マヴィ設立以来のこと12
オーガニックワイン専門店Mavie開店3
商品展示棚は店の顔です。安物は使いたくありません。しかし工務店に見積もりを取ったところ、外国産集成材を使ったものでも150万を超し、びっくり。そんな大金はありません。悩んで考えを巡らすうち、ふと浮かんだのが長野県飯田市の特約店酒のしお澤の塩澤社長の顔です。しお澤さんのお店は山裾にあり、すぐ近所に木工所があります。伊那谷には杉の木はいくらでもあります。東京で頼むよりきっと安くていいものがあるのでは!果たしてその通りでした。一枚物の杉厚板で立派な棚でも40万円ほどと東京の1/3以下。トラック運賃を払ってもはるかにお得でした。そのうえ何といっても本物の持つ材質感は素晴らしく、とても気に入っています。家のリフォームなどでもコスト面から本物の木を諦め、新建材や外材を使わざるを得ない時、地方の木工所にお願いしてみるのもいいかもしれませんよ。
そして照明や音響機器はヤフーオークションで落とし、自分で取り付けました。これも質は落とさずコストダウンするにはとても有効です。人任せは高くつきます。何事も「自分が動く」ことが実現への一番の近道と実感しました。
とはいえ、ちょうど季節は秋で、ボジョレー ヌーヴォーからお歳暮の繁忙期と重なってしまい、開店準備に充分時間が割けず、きびしい中での準備。どちらも手を抜くわけにはいきません。土日休日返上で真夜中過ぎまでの作業、どうにか年末の引越しを迎えました。引越しもコスト削減。ワインセラーの引越しは小型トラックをレンタルして自分で運転。スタッフみんなで断熱材パネルやボトルを運び込みました。そして年末年始は大晦日も元旦もひとりで出勤、真夜中まで不眠不休の作業を続け、正月休み明けにスタッフが出社してもまだ照明器具が取り付いていないような状態。それでも陣中見舞いに来てくれるお客様や友人に励まされ、ようやく開店を迎えました。疲労は極度に達していましたが、お祝いのお花がずらりと並んだ中、2005年1月11日朝11時、自動ドアのスイッチをオンにして最初のお客様をお迎えした時、何とも言えないよろこびが湧きあがってきました。こうして日本初のオーガニックワイン専門店Mavieが誕生したのです。
(続く)