マヴィ史
マヴィ設立以来のこと11
オーガニックワイン専門店Mavie開店2
お店のコンセプトはダミーボトル展示で「商品は店頭に置かない」。
ワイン保管適温は15℃で、人にやさしい温度の25℃より10℃も低く、共存は無理です。ワインは寝かしてコルク栓を湿らせておかないといけないのに、そうするとラベルは読めません。それに冷蔵ショーケースは高価で、そのうえ雰囲気はメタルな冷たい感じでオーガニック感の演出には不適切。ワインセラーはどうしても閉ざされた暗い雰囲気になってしまいます。そもそもワインは光を嫌うのですから仕方ないとはいえ、ワイン展示の課題です。ワインショップではよくボトルを手にとって読んでいるお客様がいますが、そのまま棚に戻すと、つまり「手垢が付いた商品」になってしまいます。何千円、何万円もする高価な商品が、そういう売られ方をされているのはとても不思議な気がします。私なら奥から誰の手にも触れられていない商品を出してもらった方がいい気分になれます。そこで考えたのが店頭にはダミーボトルのみを展示することだったのです。ダミーボトルならば25℃でビンを立てて置いても差し障りありません。商品自体は奥のワインセラーで真っ暗な中、しっかりと管理できます。店頭は選んでいただく場所であり、ストック置き場などではありません。ということは、店頭に同じワインボトルをたくさん置く必要はなく、ゆとりを持って並べ、しっかりと商品説明や生産者説明を掲示できます。
店舗設計は、高校の同級生井口さんのご主人が工学院の先生で、内装設計などを教えておられるので、お願いして担当してもらいました。お金が無く、コストは削れる限り落としても見栄えはするようにという無理なリクエストに応えていただき、石貼りの床や珪藻土の壁、キャンバス天井というデザインが決まりました。
(続く)