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マヴィ史

マヴィ設立以来のこと6

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オーガニックフェスタ

2003年当時、後藤田議員は自民党食育調査会の事務局次長で法案作成と根回しを精力的にこなしていましたが、ちょうど目処が付いたところでした。また徳島という農業県選出で当然農業再生の必要性を感じておられました。まだ一足飛びにオーガニックへとは思っていなかったようですが、EUの地方発展政策(RDP)には強い興味を持っていただき、その中心となるオーガニックの意義に理解を示してくれました。RDPには国民全体、特に都市の30-40歳代がオーガニックを頂点とする環境重視型農業の有効性を知ることが大前提となります。私はその機会としてオーガニックフェスタを開催することを決め、後藤田議員に協力をお願いしました。彼は実行委員会のメンバーになることを了承してくれただけでなく、食育調査会の同僚議員を何人か紹介してくれました。これが功を奏して実績のない手作りイベントにもかかわらず、農林水産省、内閣府食品安全委員会、厚生労働省、環境省、文部科学省、北海道開発局から後援を取り付けることができました。

オーガニックフェスタではヨーロッパの街角に立つ市場のように、生産者や輸入者が机を並べて直接消費者に販売します。食品の流通は通常何段階にも分かれていて、生産者や輸入者と消費者が顔を会わすことはまずありません。都会に住む人たちが農業のことを自分たちの問題とは気付かないのはこのためです。私たちは直接会って触れ合う機会があればお互い分かり合えて問題が何かを気付くきっかけを作れるだろうと考えました。また農業を取り巻く環境問題についての展示も行います。そして専門家や国会議員によるシンポジウム!並べただけでも気が遠くなるような大掛かりなイベントですが、第1回を2004年4月と定め、準備に入りました。

幸いなことに会場は住友商事のご好意で晴海のトリトンスクエア・グランドロビーを無償で貸していただけることになったのですが、ドラマのロケに使われるほどの豪華な会場です。展示会場ではないので、床は総大理石張りで傷つけてはならないため、机を並べるところにはじゅうたんを敷かなくてはならず、水配管もないので保健所が求める水場も作れません。EUOFAは日本国内の有機農業団体からは距離を置いてきたため、出展者もなかなか集まらないために資金が足りず、事務局からは本当に中止しようという声さえでました。とにかくお金がないので運営は代理店に任せられず、全て自分たちとボランティアさんたちでやるしかありません。事務局の長谷川さんは毎晩事務所に泊り込みというボロボロの中でどうにか開催に漕ぎつけました。ボアソー先生はマヴィのオーガニックワイン生産者でボルドーのポーレット ラビュゾンさんとピヴァ夫妻、シャンパーニュのブリアール夫妻、プロヴァンスのアラン ドウェルさんと4軒も引き連れて参加してくれ、他にもマヴィのコネを総動員してスペイン、ドイツからも来てもらいました。おかげでヨーロッパのオーガニックワイン関係コーナーは賑やかでとても活気のあるものとなりました。

準備不足、力不足でいろいろと空回りして、とても上出来とはいえませんでしたが、来場者や出展者には好評。北海道から出店してくれたオーガニックハーブ生産者の香遊生活さんも消費者との直接触れ合いで勇気付けられたと言ってくれて、以降毎年参加してくれていますから、まずは成功だったようです。

私にとって最も収穫だったのは、シンポジウムで内外の専門家たちが新しい情報を話してくれることと、素人のボランティアさんたちがいきいきと素晴らしい仕事をてきぱきとするのを見られたことです。これこそ次々新しいアイデアが湧き出てくる源泉なのです。

(続く)

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