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コラム

マヴィ創立25周年に思う

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マヴィは2023年3月3日に創立25周年、四半世紀の節目を迎えます。

多くの皆様に支えていただき、ここまで辿り着けましたこと、感謝申し上げます。

今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年1月、マヴィの店舗は18年間過ごした赤坂から自由が丘に移転した。

今度の自由が丘店は、元オートバイのガレージだった。そこが気に入ったのだが、狭い。トイレも無かったので改装工事は水回りから始め、壁の塗装、間仕切り、床貼り、棚、エアコン、照明等一切を僕とスタッフの塩澤悠君で手作りした。

コンセプトはミニマル、イベントや飲食提供などは行わず、マヴィの全商品を展示して説明するショールーム的な店で、これまでの赤坂店とはかなり違う。

2020年に端を発したコロナ禍の3年、中央銀行が通貨価値防衛を放棄したままの円安、ウクライナ戦争でのモノ不足、そして悪性のインフレ。消費者の購買力は確実に落ちてきている。

「マヴィは危ないんじゃないか?」と、ご心配の向きもあるかもしれない。経営者としては、胸を張ってではないものの「大丈夫だ」、いや「何とか乗り切ってみせる」と言えるだけの余裕はまだあるつもりだが、怖い。

ヨーロッパの状況は想像を絶する。ぶどうを収穫してワインはできてもボトルが無い、ラベルが刷れない、キャップシールもない、段ボール箱も足りないので、注文したワインの生産スケジュールはどんどん遅れる。

世界経済の乱調で船のスケジュールは全く定まらず、ヨーロッパの港を出ても、いったいいつ神戸港に着くのか、予測できない。そのためタイミングがずれて「品切れ・入荷待ち」となっているワインも多くなってしまっている。

この状況下で、僕は「マヴィをサスティナブル(持続可能)な企業とする」ことを一番の目標に定めることにした。

起業以来25年間も経営してきて、何を今更と笑われるかもしれないが、長いこと「やれることは何でもやってみよう」のベンチャー気質を社是としていた。失敗を恐れたことはなかったし、過去を振り向いたこともなかった。

今後も過去を振り返って云々言うつもりは一切ないが、将来も存続できる企業としての舵取りを意識していきたい。もちろん、オーガニックワインのパイオニアとしての矜恃、素晴らしい生産者の作品をしっかりとお伝えする使命は持ち続けながら。

間もなく65歳の誕生日だが、まだしばらくは先頭に立って走り続けたいと考えている。

田村安

マヴィ代表
著書の「オーガニックワインの本」(春秋社刊)でグルマン・クックブック・アワード
日本書部門2004年ベストワインブック賞を受賞
フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章受勲
ボルドーワイン騎士Connétablie de Guyenne

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