ヨーロッパでの年末のワインの楽しみ方
2021年も早いもので気が付いたら年末になっておりました。
コロナワクチンの普及率も上がり、感染者数も減ってきて2021年への希望を持ち始めれると思いきや、新しい不安の種も出てきてなかなか落ち着くことができません。
いつになったら以前の様に移動が出来るのか、人と交流が出来るのかと心寂しく感じながら、スマホに保存されていたこの時期の過去の写真を見返していました。
そこで見つけたこの写真。
ああ、懐かしい。
これは3年前、まだフランスに住んでいた頃に訪れた、ロワール地方にあるドメーヌを訪れた時の写真です。
寒い中ドメーヌの責任者がぶどうの品種とその地域の中での関係性や選定について詳しく説明してくれました。
春や夏の時期のフランスも魅力的でしたが、ぶどう栽培地の冬景色も非常に神秘的で個人的には好きでした。
どの季節においてもフランス人の多くは家族や親しい友人を家に招き入れ、アペロ(軽食会)をするのが大好きですが、12月はノエルやRéveillon(クリスマス・イヴや大晦日などのイベント前夜)で更にアペロが忙しくなる時期でもあります(笑)。
彼らは家族や友人と過ごす食卓での時間を何よりも大切にしており、イベント当日になるとその日朝早くから仕込みに取り掛かります。
普段から自由に生活し、細かいことには気にしない彼らであってもアペロや食事のことになると真剣な様子になり、夫々のメンバーに担当が当てられテキパキと行動をし始めます。(普段からそうあってほしいと思うのは野暮か…)
バゲットを用意し、パテを切り、手でつまめる料理からオーブンを使った料理まで。勿論デザート担当もいます。
私は生牡蠣担当に加え、ワインの担当でもあるので料理に合うワインを探し、皆で出し合ったお金で購入できるワインを探し求めにいきます。
楽しい一瞬に人生をかけている。大袈裟かのように聞こえますが、フランスではこれがスタンダード。
そんな楽しい雰囲気で飲むワイン、選ぶワインの責任は言わずもがな重くなってきます、、。
有名なワインにすればいいのか、高いワインにすればいいのか、皆大好きシャンパンにすればいいのか迷ってしまうところです。
これは私がフランスで学び、今になっても大切にしているワインを選ぶときの基準があります。
それは「思い出に残った、または印象深いワイン」を選ぶことです。
ワイン文化が強く根付いているフランスならではの選び方なのですが、そのワインに関連した思い出、ハプニング、旅行先で買ったワイン、大切な人から譲ってもらったワイン等々、ワインを選ぶときにそれぞれの思い出やストーリーが詰まったワインを持ち合います。
全てのワインには生産者の思いと哲学が詰まっていますが、ワインを嗜む私たちもそれぞれの思いを馳せてワインを選んでいます。
選ぶワインの数だけ、誰かに語る思い出があります。
美味しい料理、楽しい仲間が揃ったら、思い出と物語が詰まったワインが登場してアペロが始まります。
ヨーロッパに倣って今年は思い入れのあるワインを選んでみてはいかがでしょう。
皆様のそれぞれの思い出やストーリーを連想させるワインは何でしょうか?
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