
〈ワイン小話56〉貴腐ワイン
ボルドー南部のソーテルヌ地区で造られる高級極甘口ワイン。セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデルの貴腐菌がついたぶどうから造られ、バターやドライフルーツ、蜂蜜などの香りが優雅に広がります。フォアグラやブルーチーズとの相性は抜群!
⚫︎味わい
貴腐菌が自然にぶどうの房を覆うのをしっかりと待って、ぎゅっと糖分が凝縮したぶどうだけで造られます。最良の状態の果実を得るため、房の中でも完璧に貴腐菌がついた粒のみを選り分けて収穫するほど、手間をかけられています。
黄金に輝く液体から、バターや、ドライフルーツ、蜂蜜、花などの香りが優雅に広がり、香りと味わいのバランスもすばらしく、その後にはうっとりするような、非常に長い余韻が続きます。
通常ぶどうの木1本からボトル1本分のワインを造れるところ、貴腐ワインはグラス1杯分しか造れません。
また、一歩間違えれば果実が収穫できなくなるほど栽培も難しく、それを自然に任せてオーガニックで造り上げることができるのは生産者さんの腕があってこそ。
まさに、贅沢な時間のためにあるワインです。
生産者さんによると、ソーテルヌは場合によっては開けてから数日経ってから飲んだほうが美味しいこともあるし、開けた後バキュバンなどのワイン保存器具を使って冷蔵庫に入れれば、15~30日はもつそうです。
ちょっと高級ですが、その価値ありの甘口ワインです。

