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フランス出張レポート2020(その7)桜ロゼとカバニスさん

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1月にフランスで開催された世界最大のオーガニックワイン展示会「Millésime Bio(ミレジムビオ)」

今回はフランス・ローヌで桜オーガニックロゼを造るカバニス家を訪問したときの様子をお届けいたします。

迷子になりながらもカバニス家に到着!

ミレジムビオが終了し、フランス・ローヌへ向かいます。

マヴィとは20年来のお付き合いになる、カバニスさんを訪問する為です。

まずはニームの町から車で30分ほど走ったところにあるヴォヴェールという村に向かいます。

ヴォヴェール村中心部

この村はずれの森の中を4キロほど車で走り抜けた丘の上にあるのが、カバニスさんのドメーヌです。

道はどこも同じように見え、案内標識もないので、カバニスさんのドメーヌを訪問するときはいつも道に迷います(笑)
ぐるぐる走りながら何とか辿り着くと、カバニスさんが迎えてくれました。

カバニスさんに今回も迷ったことを伝えると、「ここは本当に田舎の森の中だからね。1984年にワイン作りのためにここに移り住んだ時はヒッピーかと思われて、オーガニックでぶどう栽培をすると言ったら、まるで変人扱いだったよ」

ボワソーさんとカバニスさん

そんなわけでちょっとたどり着くのが難しいところにありますが、本当に静かで気持ちの良い場所です。

中に入ると薪ストーブがあり、

ガラスごしに見える暖かな炎

窓からは牛たちの姿も見えるのどかな風景。

窓の外には牛がのんびり

桜オーガニックロゼと合わせる家庭料理

そしてさっそくこのワインを出してくれました。

桜オーガニックロゼ!

今年の桜オーガニックロゼです。

今回もすごく綺麗な色。この色を見ると春の訪れを感じます。

試飲すると、今年は例年に比べて、少し清涼感のある華やかな香りがしました。
実は、今年は初めてミュスカ種のぶどうをブレンドしてみたのだそう。

ミュスカはとても香りが華やかなぶどうで、存在感が強い品種です。

昨年はボリューム感のあるまろやかな仕上がりでしたが、今年は爽やか。鈴蘭や百合を思わせる花の香りに、プラムやサクランボの果実香、白胡椒のアクセントがあります。

春を感じる色合い

早春にふさわしい、柔らかな果実味の中に清涼感が漂う爽やかな美味しさです。

それに、いろんなお料理に寄り添ってくれそうなバランスの良さ。
そう思っていたら、カバニスさんが用意してくれた手作りのお料理でランチタイムとなりました。

フレッシュなオリーブ

まずは、自家栽培のオリーブ。昨年取れたフレッシュなものです。

特製ドレッシングのサラダ

続いてサラダ。カバニスさんはサラダのドレッシングにいつもお醤油と自家製のオリーブオイルを使っています。美味しい!

たっぷりの野菜と煮込んだフィレミニョン

続いてフィレミニョン。
これにはコスティエールドニームが合うよと赤ワインを出してくれました。

お肉と一緒にお野菜も沢山煮込んであり、茄子、大根、マッシュルームにセロリ、玉ねぎ、パプリカ、そして栗。
お野菜に味が染み込んでついつい食べる手が止まりません。美味しい!

カバニスさんはふだんあんまりお肉を食べないのですが、「食べるなら美味しいものを食べたいのでこれを用意しておいたよ、これは少し火を通すだけで美味しく食べられるしね」とのこと。
カバニスさんは本当にお料理上手!!

オーガニックチーズ

チーズは、オーガニックのカンタルとトム デ サヴォア。
一緒に出してくれたジャルダンスクレにとても良く合います。

フルーツとロゼも合いました

最後はフルーツのデザート。再び桜オーガニックロゼと合わせて、爽やかに締めくくりました。

変わる気候とカバニスさんの工夫

今年の桜オーガニックはミュスカが入っていると教えてくれましたが、メインになる品種はムールヴェードルというぶどうだとのこと。

なぜならムールヴェードルは熟すのがゆっくりした晩熟タイプの品種だから。最近は夏がどんどん暑くなってるので早く熟すタイプの品種だと、アルコールが上がりすぎてバランスが悪くなってしまうのだそう。

気候変動でワイン造りにも変化が

また桜オーガニックだけでなく、コスティエールドニーム赤にも今回はマルスランという新しい品種を使っているそうで、理由はやはりこれも晩熟のぶどうだから。

変わりゆく気候に、カバニスさん自身もいろんな変更や工夫を重ねながら、納得のゆく美味しさを日々生み出しているのだということを実感しました。

カバニスさんは2020年引退されました。

2024年オーガニックボジョレーヌーヴォー到着